清水焼の郷探訪

「清水焼の郷探訪」は2005年頃から2010年頃までに外部記者が取材された内容をまとめたものです。日時や名称など現状と異なる点もございます。予めご了承ください。

第30回

オリジナルデザインの主力商品を夫婦二人三脚で

山本商店 山本和義・山本嘉子

〒603-8322
京都市山科区清水焼団地8-1

TEL.075-591-2456
FAX.075-591-8018
営業時間 10:00~18:00
年中無休(元旦を除く)

父山本菊太郎が京都五条坂に於いて山本商店を創業
同志社大学卒業後家業に従事し、主に東京・東北・北海道を中心に営業
京都山科清水焼団地に店舗・倉庫を建築し移転する
父より継承し独立 京焼・清水焼陶磁器卸 山本商店を設立
卸販売の他直売の出来る小売店舗に改装し顧客の増加

志 ambitions

 卸商として東京・東北方面向けに京焼・清水焼を扱う山本商店。団地内に直売用店舗を構えており、お店を訪ねると、人気作家作品の他、オリジナルデザインで彩られた華やかな器たちが目に止まる。
 作家の手塚央さん、加藤雲泉さん、馬場京泉さん、双楽窯の品々が所狭しと無造作に置かれている。丹念に描かれた古典紋様の染め付けの食器類が重厚で存在感があり、お店の魅力の一因となっている。
 その中で当主 和義さんの妻、嘉子さんの着想で創られた桜・パンジーなど花々をモチーフにした華麗で繊細な珈琲碗皿・ワインカップなどが目を惹く。お店全体の品々を魅入ってしまうと時間の経つのも気にならない。“ゆっくりと寛ぎながら、ご満足いただける品選びの場を心掛けている”という。

「現代は、“他にないもの”を創らないと売れない時代。何でも満ち足りていて、何でも持っていらっしゃる方がお客さまとしてお見えになりますから、“いかにしてお客さまに喜んでもらえるか”」を常に想像すること、それは常に新しいものを提案することでもあるという。

技 skills

 花のちりばめ方や色使いなど、女性らしい感性が陶器へと見事に昇華される嘉子さんの商品たち。山本商店へ嫁ぐ前は、上場企業で一般職に従事していたというキャリアウーマン。デザイナーの経験は無く、当主の和義さんと二人でお店を切り盛りしていくうちに、自然とデザインにも携わる様になったという。
 制作のヒントになるのは、生活の中にあふれているそうだ。デパートであったり、レストランであったり、旅行先のホテルであったりその時々で見かけた洋服や着物、偶然に歩いた石畳など、嘉子さんにとっては日常生活全てがデザインのきっかけになる。

 「綺麗なものは、どんなものでも共通する感覚があると思うから、何でもヒントになるんですね。どこへ行くにしても “何かヒントを持って帰ろう”って思いますね。」

 嘉子さんのデザインで試作品ができあがると、今度は和義さんの出番。卸商の当主として培われ、研鑽してきた目で、嘉子さんのデザインが、商品として売り出せるかどうかを入念に見定める。

 「商品化を反対される場合もありますよ。でも、やりにくいと思ったことはありません。私が作ったものを評価してくれる目があることが大事なんです。お互い補い合う関係として、それぞれの得意分野を発揮できてるんじゃないかと思っています。」

 まさに夫婦二人三脚だ。これからも、二人で作り上げる陶器が、店内を華やかに引き立てていくに違いない。

声 voices

 京都の陶器の魅力とは、商品一つ一つが生きているように感じられること。完成までに、ろくろ、成形、素焼き、染め付けという風に、たくさんの職人さんの手が入り、それぞれの職人さんが、魂を込めて作ってくれています。
 使ってみると、なおさら良さが分かります。手に持って良し、盛り付けても良し。多少欠けても捨てがたい魅力がある。作り手たちの気持ちを感じられるからこそなのだと思います。

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