清水焼の郷探訪

第13回

手で触れて感じる清水焼の絵付け体験

紫雲窯 代表 小山好弘

出張絵付け体験 1300円~
陶芸教室 3000円~

〒607-8322
京都市山科区清水焼団地町3-1
TEL 075-581-7172
FAX 075-594-6797

志 ambitions

 京都を訪れる修学旅行生にとって、今や体験学習は外せないコースのひとつだ。和菓子の手作り、友禅染、扇子の絵付けなど、種類も次々に増えていくなかで、20年前、先駆け的に清水焼絵付け体験を始めたのが、紫雲窯代表小山好弘さん。きっかけは、旅館で働く友人からの誘いだった。

 「“修学旅行生が晩御飯の後、時間を有効に使えるように、清水焼の出張絵付け体験してくれへんか”との誘いを受けました。確かに、こちらが旅館に出向いていけば、生徒さんは旅館にいながらにして手軽に体験できます。すぐに、よし、やってみようやないかと引き受けましたね」

 そして、友人の旅館以外にも体験の受け入れ先を見つけようと、小山さんは京都中の旅館を回った。“絵の具で畳が汚れる”“他の客に迷惑がかかる”など、最初が断られる場合が多かったという。 「いくら面白い企画でも、お互いに信頼関係がないとだめなんです。大切なのは、相手が100パーセント納得してくれるまで、ゆっくり時間をかけること。何度も旅館を回りましたし、“畳が少しでも汚れた場合は、全て張り替えさせていただきます”とまで言いましたね。」

 そんな問題を、一つ一つ時間をかけてクリアしてきた小山さん。現在では、多くの旅館が協力してくれるようになり、多いときで一晩に千人もの修学旅行性たちが清水焼に触れている。

技 skills

 体験は、マグカップ、湯呑、絵皿、筆立ての4種類から選び、5色の絵の具で自由に絵付けするというもの。所要時間は約1時間だが、時間が余った生徒には、“ろくろ体験”として、本物の陶土を使って電動ろくろにチャレンジできるのも貴重だ。いずれの体験も清水焼に従事するプロの若手職人さんの指導がついている。職人さんによる実演の時間も設けられており、小山さんはそれを「職人さんにとってもよい経験」と話す。

 「何百人の前で実演するわけでしょう。最初は緊張で手を震わせる若手も多いから、度胸をつけるいい訓練ですよ。それに、生徒さんに語りかけたり、意見を聞くことで、教えられることもありますし、第一自分の作るものに意識を持つことができるんです。ただ工房内に閉じこもって、ろくろをひいて、絵付けさえしていればというもんではないんですね。今は、売るためには相手に自分の作ってるものの良さをどう言葉で伝えていくかを肌で感じる必要があるんです」

 絵付け後、作品は本焼きをして1ヶ月以内に指定先に届けてくれる。自分のオリジナルの作品とともに、職人さんとの触れあいもいい思い出になるに違いない。それは職人にとっても同じなのだ。 また、団体旅行でも出張絵付けは可能。清水焼団地の工房で手ろくろによる作陶体験もあるので、一般の旅行客の方々も試してみたい。

声 voices

 この体験を始めて、20年あまりが経ちました。今では、当時体験学生だった方が、今度は教師となって、生徒を連れて体験に来てくれることもあります。“今でもあのマグカップを持ってます”と声をかけられたりすると、始めて良かったなと心から思えます。

 生徒さんの中には、陶芸家になりたいと言ってくれる子もいます。それは、体験したからこそ言える言葉であり、知識や理論ではなく、実際に手を汚し、体感することがいかに大切かを感じます。

 たくさんの可能性のある子供さんにとって、この体験が少しでも役立つものであることを願っています。

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